株式会社 滝善

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PITTI FILATI 2026SS出展報告(馳せる思い)

私がPITTIに初めて訪問したのは20年も前の2005年の確か、6月。

滝善が某イタリア糸メーカーのエージェントを突然引き受けることになり、私が窓口に。PITTIの2週間前でした。急遽、準備をして初めてのイタリア。初めてのフィレンツェへ。

当時、私は入社2年目で糸も業界も、そしてPITTI展がどんなものかも分からない状態。ましてや視察サイドではなく、自分が提案する側。しかも初めて見る他社の糸を一流のプロに。。

その時の大変さといったら。。。

(ただ、その経験が私にとって非常に大きく、かけがえのないものになりました。その苦労話は、またお伝えする機会があれば。)

展示会場を初めて訪れた時の感想は「すご。。マジでここか。。」でした。歴史ある宮殿というか、要塞というか、すごい建物を貸切っての展示会。これが、皆が色めき立つPITTIか。。

会場に圧倒されました。

そして、厳重なセキュリティを通ると、中にはおしゃれな着こなしの人たちで溢れていました。 

とにかく全てがカッコ良い。。

建物の外観はもちろん、内装、各社のブースの作り、オブジェ、人、音、空気まで洗練されているように感じました。

このように、糸にスポットライトが当たる場所が世界にはあり、トップメゾンと対等に、お互いに敬意をもって商談できる場所があることが、糸に携わるものとして非常に誇らしく思い、自分の仕事、会社にも誇りを持てた瞬間でもありました。

その当時は、出展社はイタリアを中心としたヨーロッパ企業がほとんどでしたし、出展には厳しい審査があると伝え聞いていたので、滝善が出ることは当時は夢の話でした。

それから、15年も掛かりましたが、その間に、私も経験を積み、勉強もさせてもらい、漠然と我々の商品は世界でも通用するのではないかという気持ちも芽生えてきました。

また同時に日本市場の閉塞感、このままで良いのかという焦燥感、世界で挑戦したいという想い、実力を試したいという気持ち、周りからの後押しなどもあり、色んな気持ちが混ざり、大きくなり、もじもじとしていた期間も数年あったのですが、ようやく2020年に初出展を果たします。 

私にとっては15年分の想いが詰まっている展示会なのです。

糸に勝ち負けなんてないと思いますが、いかにお客様が驚く、唸る、ワクワクする、五感を揺さぶる提案ができるかということをテーマにして挑みたいと思える場所であり、滝善の世界でのポジション確認と今後どうすべきかを指南してくれるところ、それがこの展示会だと思っています。

これからもこの場所で、たくさんのワクワクを世界にお届けできればと思っています。

次回、番外編(お土産)

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